手数料について、以下の記事で持論を交えながら語らせていただきました。
今日は実例を見ながら手数料の捉え方を見ていきましょう。
表示利回りに惑わされてはダメ
今日は外貨定期預金の広告を例にとってみていきたいと思います。

これはいつも懇意にしている楽天銀行さんから送られてくる広告メールです。
これを見て、どう思いますか?
やっぱ「円」は金利が低くてダメだからせっかくだしやってみよう、と思いましたか。
果たして資産運用として機能するのかどうか見ていきましょう。
収入と支出を把握する
実生活においても収入と支出のバランスが重要というのは常識です。
ましてや、「資産を増やす目的」で行っている”資産運用”において支出が収入を上回るなんて”言語道断”です。
この外貨預金における収入と支出を分解してみてみましょう。
ちなみに執筆時点の豪ドルの預け入れレートおよび払い戻しレートは以下の通りです。

収入
収入は年利3%の2か月分、つまり”0.5%”です。
仮に100AUD(豪ドル)を定期預金したとすると、2か月後には100.5AUDになって戻ってきます。
8500円くらいが2か月で40円ちょっと増えて戻ってくる感じですね。
100万円預けて1年で10円しか増えない円普通預金よりよさそうですね。
支出
それでは支出はどうかというと、目に見えた支出というものはないようにも思えます。
しかし、円を豪ドルに換えるときには価格が2通りあります。
”預け入れ時の価格”と”払い戻し時の価格”です。
それが現時点では、”85.69”と”84.79”です。
まず、1AUDを”85.69”円で買って預け入れます。
そして、満期になると、為替が動かなければ”84.79”で円に戻すことができます。
その差額”0.9”円は実質的には支出(コスト)といえます。
これが、スプレッドによる手数料(コスト)です。
収入と支出のバランス
ここでは価格変動がないものとして考えます。
100AUDを外貨定期に預け入れしたときを考えると、
収入:0.5AUD(42.395円)
支出:90円
あんれぇぇ?
支出がダブルスコアで”言語道断”です。
諸条件には目を通す

まぁ、一回だとマイナスかもしれないけど、満期になっても円に換えずに定期に預けたらいいんじゃないの?
Aくん、前向きでいいけど、書いてあることをしっかり読もうね。

”円からの預入時のみ”!!
外貨定期預金には、円から預け入れたときと外貨で預け入れた時で金利が分かれています。


円からの預入時にはお祭り騒ぎの金利が外貨からの預け入れになると、とたんに閑古鳥が鳴いたようになっています。
諸条件は細かい字で書いてありがちですが、きっちりと目を通すようにしましょう。
カラクリを見抜く
楽天銀行に限らず、いろんな銀行で外貨預金に関する同様の広告を目にします。
詐欺ではありませんが、資産運用先としては0点、いや資産を減らすスキームなのでマイナスです。
外貨預金に関してはスプレッドをあまり理解していない、もしくは大したことないだろうと思っている人もいるかと思います。
それが手数料(コスト)になっている、というカラクリを見抜く目を持っていただきたいと思います。
大々的に広告が打たれているものはえてしてカラクリが隠されているものです。
なので街で見かけたら、カラクリを見破りましょう。
無視することは簡単ですが、それよりも手品のトリックを見破るように楽しみながら投資商品への理解を深めていきましょう。
それに、ひょっとしたらあなたに合った投資商品があったりするかもしれません。
あとがき
手数料(コスト)に対する理解を深めていただくために実例を紹介いたしました。
露骨すぎるくらいですが、それほど”円から”外貨に換えてもらいたいんですね。
外貨も正しいところで運用すれば儲かるチャンスがあります。
海外旅行とかで、少しでも安い両替所とかを探すタイプの人は向いているかもしれません。
逆に、ホテルでサクサクっと両替してしまう人は要注意です。
その話はいずれまた。
今日は日経伸びてましたね。
ダウも最高値圏に戻ってきたので、諸問題抱えておりますが年末ラリー発生のにおいも感じます。
新年あけたら急に下がることも多いので年末上がったタイミングでポジションの大掃除もしていきたいと思います。
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