一般NISA非課税期間満了時の対応〜現行一般NISAは今年まで〜

NISA

『NISA、してますか?』

やるべきだ、やらなくていいでしょ、どっちの意見もあると思いますが、私の意見はどっちでもいい、です。

というのもNISAにもメリット、デメリットがあり、リスクをとるということでいうと普通の投資と変わらないと感じるからです。

昨年はそれを痛感しました。

『投資は自己責任』、しっかり制度を理解して味方につけましょう。

NISAについておさらい

NISAについてざっとおさらいしましょう。

NISA口座

NISAにはNISA専用の口座が必要です。

自分自身で証券会社・銀行(以下、取引会社)を選んで「NISA口座」を開きましょう。

同時に複数の取引会社でNISA口座を開設することはできません。

ただし、年によって取引会社を変更(乗換え)することは可能です。

NISA口座の非課税枠

NISA口座で取引できる年間上限額は120万円です。

この120万円が「非課税枠」と言われるものです。

取得時の価格によって非課税枠を消費します。(購入後の価格の上下は関係ありません)

年度内に使いきれなかった枠は繰越しされません。

それから、年度の認定は『受渡』ベースでなされます。(『約定』ベースではないことに注意)

これは年末にその年度の枠を使い切ろうとする時に重要になってきます。

詳しい説明は省きますが、株でも投資信託でも約定から受渡まで2〜5日営業日くらいかかります。

12月29日に約定しても受渡しが翌年なら、翌年のNISA枠の対象となります。

NISAのメリット

NISAのメリットはなんといっても、『非課税』ではないでしょうか。

でも、何が非課税になるかきちんと理解してますか?

もちろん利益が非課税になるわけですが、投資商品の利益には『売買益(譲渡益)』と『配当利益』があります。

・売買益(譲渡益)

株や投資信託を売り買いした時の差益です。簡単ですね。

まずはこちらが非課税になります。

・配当利益

それから株式や投資信託には配当がついていることがあります。

しかし、株の配当についてはNISA口座で買ったにも関わらず「非課税」にならないケースがあります。

NISA枠を使って購入した株式の配当が非課税になるには、配当受取方式というものを『株式数比例配分方式』にしておく必要があります。

詳しい説明は省きますが、ご自身の配当受取方式についてきちんと確認しておくようにしましょう。

NISAのデメリット

NISAにデメリットなんてあるの?

あります。

それが今日の本題につながります。

NISA枠で利益が出れば「非課税」でハッピーハッピーなんですが、投資ですから損失が出ることもあります。

NISA口座で『損失』が発生した際、他の口座(一般口座や特定口座)で発生した利益と通算することができません。

これは、投資をやっている方からするとなかなかの痛手です。

今日のお話の本題は、そんなNISAで損な取引をしてしまった男の話です。

むかしむかし、あるところに

ZETという男があったそうな。

男は日々気ままに暮らしておりましたが、5年前に始めたNISAで満期を迎える建玉があったとさ。

買った時は5,000円したものが、今は4,000円になっておった。

ZETが取れる選択肢は3つ、

  1. 非課税期間内に売却
  2. 特定口座に移す
  3. ロールオーバー

さて、どうしたものかのう?

1.非課税期間内に売却する

これは、シンプルです。

売却して損失を確定させます。

NISA口座の損失なので、この損失により他の口座の取引で出た利益と相殺して税金を取り返すことはできません。

損失全額を甘んじて受け入れる方法です。

保有証券が今後長期に渡って、購入時水準に戻らないと思われる時や一旦仕切り直しの選択肢です。

2.特定口座に移す

NISA口座で管理されていた証券を特定口座で管理することになります。

何も手続きしなければ、この取り扱いになるはずです。

ただし、注意するのは取得価格の扱いです。

「特定口座移管時の取得価格」は非課税期間終了年度の大納会終値で再計算されるようです。

よって、その後、該当の証券を売却する際にはNISA口座での取引により余計な税金がかかってきます。

(NISA口座での取得価格)ー(特定口座への移管時取得価格)=(NISA口座での取引により余計に課税される利益)

そのうち価格は戻すと考えるがそんな短期では期待できなかったり、NISAの非課税枠を使いたくない、という時の選択肢です。

3.ロールオーバー

こちらは引き続きNISA口座での管理を継続する方法です。

その際は翌年のNISA非課税枠を使うことになります。

取得価格(使用する非課税枠)は2.同様、非課税期間終了年度の大納会終値となるようです。

NISAの非課税枠を使いきれていない方や、その銘柄にまだまだ期待される方などが取る選択肢かと思います。

ロールオーバーをするには所定の手続きが必要のようなので、ロールオーバーを希望する場合は手続き期限までに忘れずに手続きしましょう。

おまけ.利益が出ている証券の更なるロールオーバー

今回はNISAで損失が出ているのを前提に話をしていましたが、利益が出ていてもロールオーバーできます。

その際、非課税枠の120万円を超えた取得価格となっても受け付けてもらえるようです。

どういうことかというと、5年前100万円で買った証券が大納会の終値で125万円になっていたとしてもロールオーバーできるということです。

その場合は翌年の非課税枠は使い切ったことになりますので、更なる買付はできなくなります。

以上、おまけでした。

今日の話は無駄?〜2024年からは新NISAスタートです〜

すみません、現行一般NISAについていろいろお話ししてきましたが、2024年、つまり来年からはNISA制度が刷新されます。

なので今日の話はほとんど無駄になるかもしれませんが、今年2023年分のNISAが非課税期間終了する2027年末までは関係してくるかと思います。

早く、新NISAをしっかり理解して有効に使っていきたいですね。

新NISAについて調べていく中で、残しておきたい話はここに残していくようにしますので、引き続きよろしくお願いします。

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